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皆さんこんにちは!
株式会社中嶋建設、更新担当の中西です。
今回は、「アンダーパス工事の歴史」についてご紹介します。
アンダーパスとは、交差点や鉄道の下をくぐるように設けられた立体交差道路のこと。現在の都市ではよく見られるこの構造物も、かつては非常に高度な工事技術を必要とするものでした。
では、アンダーパス工事はどのようにして始まり、どのように発展してきたのでしょうか?その歩みをひもといてみましょう。
鉄道網が全国に広がった明治〜大正期、問題となったのが道路と鉄道の交差による踏切渋滞と事故でした。
自動車交通の増加により、踏切の開閉時間が長くなり交通が停滞
人身事故や列車との接触事故が相次いだ
国や自治体が“立体交差化”を検討する動きが強まる
当初は「跨線橋(オーバーパス)」が中心でしたが、景観や勾配制限、周辺地形の関係で**地下にくぐる“アンダーパス”**が有効とされ、1930年代以降に徐々に導入が進みました。
1950年代〜1970年代の高度経済成長期には、自動車の爆発的な普及に伴い、都市の渋滞対策が急務となりました。
鉄道下をくぐるアンダーパス、幹線道路をくぐる都市高速下アンダーパスなどが各地に建設
特に東京・大阪・名古屋などの大都市圏では、鉄道の高架化+道路のアンダーパス整備がセットで進められた
鉄道事業者と道路管理者(国・自治体)が連携し、分離施工方式が確立
この時代の工事では、箱型のボックスカルバート構造が多く採用され、鉄筋コンクリートの耐久性と施工性が評価されてきました。
アンダーパス工事において、常に課題となってきたのが**「雨水による浸水事故」**です。
地下に掘り下げる構造のため、水が溜まりやすくなる
特に集中豪雨・ゲリラ豪雨では冠水しやすく、車両水没事故が多発
2000年代以降、排水ポンプの大型化・遠隔監視システムの導入が進む
最近では、AI制御による自動ポンプ起動や排水ピットの容量増強など、浸水対策も進化しつつあります。
鉄道を跨ぐアンダーパス工事では、**鉄道を止めずに掘削・設置する「開削工法」や「推進工法」**が用いられます。
深夜の限られた作業時間内でのシールド掘進や仮設防護
地盤沈下や構造物への影響を抑える高度な計測管理
地盤改良、地中埋設物の避け方など、現場ごとの対応力が問われる
こうした「都市土木の難工事」の代表格として、アンダーパス工事は現代の土木技術の総力戦として位置づけられています。
今や当たり前のように使われているアンダーパスですが、その裏には歴史を通じた知恵と技術、そして無数の職人の努力が詰まっています。
鉄道と道路の交差を安全・効率的に処理するその存在は、都市の呼吸を整える装置とも言えるでしょう。
次回は、そんなアンダーパス工事において“現場で守るべき鉄則”についてご紹介します!
次回もお楽しみに!
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